『血管やメタボに優しい食習慣』 | ドクター蜂谷のStay Healthy!

ドクター蜂谷のStay Healthy!

2020.05.24

『血管やメタボに優しい食習慣』

「食後の急激な血糖値の上昇は動脈硬化の促進や肥満・糖尿病の悪化をもたらす。空腹時と食後の血糖値の差は小さい方が良い。」とされています。また従来、食物線維を先に食べて吸収を緩やかにすること、腸内細菌叢を整えて置くこと、食塩摂取を少なくすること、などが健康的な食習慣として推奨されています。

今回はそれに追加して、「蛋白質を炭水化物よりも先に食べる」ということを考えてみます。

 アミノ酸(蛋白質の消化物)や糖(炭水化物)は小腸から血液中へと吸収されますが、この時、吸収と同時に、インクレチンというホルモンが小腸L細胞から分泌されます。さらにインクレチンは血糖値を下げる有名なホルモン(インスリン)の分泌を膵臓に促します。アミノ酸(蛋白質)を先に食べることで、事前に糖を受け入れる準備(インスリン分泌)を膵臓に働きかけて置いてから糖(炭水化物)を摂取する。そうやって食後の急峻な血糖値上昇を抑制することは身体に優しい食習慣の一つではないでしょうか。


【蜂谷春雄プロフィール】

蜂谷春雄

高岡市伏木生まれで、伏木保育園・伏木小学校・伏木中学・高岡高校。大学で初めて市外に出て自治医科大学(6年間全寮制で仲間と毎晩地域医療談義)。

昭和55年、富山県立中央病院(2年間)臨床研修医。

昭和57年、氷見市民病院が僻地中核病院に指定され、それと同時に富山県からの出向で氷見市立氷見市民病院(26年間)。僻地巡回診療を26年行った。気が付くと、27歳の最年少医師から53歳の最古参医師となっていた。氷見では副院長・地域医療連携室長・糖尿病センター長を兼務。   

平成20年4月、高岡市民病院内科主任部長に着任、その後、医療局長を経て、市民病院理事・副院長で令和2年3月定年退職。

僻地診療26年間と医療機関連携を評価され、平成23年に第5回地域医療貢献奨励賞し家内と一緒に東京で授賞式に行ったことや高岡市民病院を地域医療支援病院にできたことなどが嬉しかった思い出。

定年退職後の現在、高岡市民病院非常勤医療相談役で主に内科外来診療と糖尿病を担当。日本糖尿病学会専門医、日本糖尿病協会療養指導医、富山県糖尿病対策推進会議幹事、日本糖尿病協会富山県支部常任理事、日本内科学会北陸支部評議委員、日本医師会認定産業医。

地域の医療機関へ応援や将来の医療スタッフの育成などを通して、地域医療にさらなる貢献ができればと願っている。

令和2年5月22日

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